1から始める、プラモデル・模型の作り方!
このページでは、シルバー等のメタリック色塗装のポイントを紹介しています!

プラモデルのシルバー・メタリック塗装ポイント

シルバー塗装のコツ

シルバー等のメタリック塗装は、通常のソリッドカラーに比べて剥がれやすかったり、下地のキズが目立ちやすかったりと、いくつか注意しておいた方が良い事があります。

このページでは、メタリック塗装時の注意点やポイント等を紹介してみたいと思います!

1.シルバー塗装の筆塗りはムラが消えない

シルバー等のメタリック色は筆塗りが難しいです。

メタリック色には、塗料に微細な金属粒子が入ってます。筆塗りすると塗料が乾くまでにこの金属粒子が塗料内部で動いてしまって、均一にならずムラになってしまうんです。

写真はMr.カラーの8番・シルバーを左側が筆塗り、右がエアブラシで塗装しましたけど、筆塗りの方はこのムラが消えずに残ってしまいます。

通常色みたいに重ね塗りしたからといって、ムラは消えてくれません。それでも、小さな範囲を筆塗りする分には目立たないので問題ないんですけどね。

なので、シルバー等の金属色は基本的にエアブラシか缶スプレーで塗装する事をオススメします。

2.シルバー塗装は剥がれやすい

メタリック色、特にシルバーは通常色塗料に比べて食い付きが悪く、剥がれやすいです。

写真左は、下地にサフを塗らずにシルバーを塗ったのですが、マスキングテープを剥がす時に一緒に剥がれてしまいました。写真右はサフは吹いてますけど、何かにぶつけた拍子にかけるように剥がれてしまってます。

微細な金属粒子がプラスチックや塗装面と接する事で、樹脂成分の接触面積が減って、食いつきが悪くなってるんだと思います。

特にシルバーはプラスチックへの食いつきが悪いので、注意しておいた方がいいです。

メタリック色でも、メタリックブルーとかメタリックレッドなど、色が付いている塗料は金属粒子が少ないせいか、そこまで食い付き悪くは無い感じがします。

塗料の剥がれを防止するには、下地にサーフェイサーを必ず塗っておく事と、シルバー塗料にクリアー塗料を1~2割程混ぜておくと、かなり食いつきが良くなります。

サフの代わりに艶有りブラック等のソリッドカラーを塗っても良いともいます。プラスチックに直接シルバー塗装は、剥がれる可能性大です。

3.下地は艶有りブラックで塗装しておく

シルバー塗装の下地は、艶有りの黒で仕上げておくとキレイなシルバーに発色してくれます。

シルバーによっては下地ブラックで塗ってもあんまり変わらないケースもありますけど、基本ブラックで塗っておくとベストだと思います。

特にメッキシルバー等のメッキ調の塗料は、下地を艶有りブラックで鏡面に仕上げにしておくと、一段とメッキ感が増してくれます。

4.下地は1000番~のペーパーで仕上げる

ボンネットについてるキズですけど、これは最初にボディにペーパーをかけた時に付いたキズなんです。

一応サフも吹いてチェックしたつもりなんですけど、シルバーを塗装したらキズが目立って見えてきました。

シルバー塗装はわずかなキズでも、ハッキリ見えてしまう塗料なんです。。このキズは、上からクリアーを吹いても消えてくれません。

なので、シルバー塗装は通常色よりも丁寧に下地を整えておく事をオススメします。

800番のペーパーだと、その後にサフをしっかりと適切に吹き付けておけば、キズは出ないです。タミヤのファインサフなど目の細かいタイプでも大丈夫です。

ただ、吹き残しがあったりサフが薄かったりするとキズが消えきれない可能性も出てくるので、念のため1000番以上のペーパーで下地処理しておくと確実だと思います。

写真のような状態になってしまったら、キズのある部分だけ2000番程のペーパーを当ててキズを消し、上からシルバーを塗装しておけば、キレイになります。

5.塗料を”沸かさない”よう、薄く乾かしながら塗装

通常色は塗料が流れる一歩手前ぐらいのウェット状態で塗装するのが、最も艶が出て良いです。

でもメタリック色の場合、同じように吹き付けると、ムラになる可能性が高いです。

ウェット状態に吹き付けられた部分の金属粒子が、塗料が乾く間に動いたり沈殿したりして、均一にならずに輝きが違ってムラになって見えてしまうんです。

写真は一箇所だけにちょっと集中して、ウェット状態に吹いてみたところですが、その部分だけ輝きが他と違ってしまってます。このムラは、乾燥した後もずっとこのままで変わらないです。

メタリック色を塗装する場合は、エアブラシや缶スプレーを少し離し気味にして、薄く、塗料が部品についたと同時に乾燥するような感覚で塗装してやると、ムラなくキレイに塗装できます。

ムラになった場合は、その部分が乾くのを待って上から塗装しなおせば、キレイになります。

6.メタリック塗装の上からペーパーをかけるのは×

左の写真のように、シルバーなどのメタリック色を塗装して、その上からホコリ取りなどでペーパーをかけた場合、そのキズはクリアーを塗装しても消える事がありません。

通常色であれば、ペーパーをかけても、上からクリアーを塗装すればペーパー掛けで付いた傷は消えてしまいます(色にもよります)。

ところがメタリック色の上からペーパーをかけると、ペーパーをかけた部分の金属粒子が削れてしまい、他のペーパーを当ててない部分と光の反射が変わってしまいます。

そうすると、その上からクリアーを塗装しても、光の反射の違いがそのまま残ってしまうので、キレイにならないです。

ホコリの付着などでメタリック色を塗った上からペーパーをかけた場合は、その部分を再度メタリック色で塗装してから、クリアーを塗装しましょう。

研ぎ出しの時は、クリアー層を削りすぎてシルバー色を削ってしまったりすると、修正が難しいので特に注意しておいた方が良いです。

本塗装のシルバー色にペーパーを当ててしまうとキズが消えないので、修正するにはその部分にシルバーを塗って、上からクリアーを塗ってと、修正が面倒になってしまいます。

しかも修正時にはクリアー層の上からシルバーを塗ることになるので、その部分が回りと馴染まず、違和感が出てくる場合もあり、そうなると最初からやり直した方が・・・

という事になると、すごく面倒なのでメタリック色の研ぎ出しは慎重にやっていきましょう。

7.クリアー塗装時の”戻しムラ”に注意

ソリッド色もそうなんですけど、特にシルバー等メタリック色の上から塗るクリアーは、一度に厚塗りせず薄く乾かしながら塗った方が良いです。

クリアーを一度に厚く塗ってしまうと、下層のメタリック色表面が溶け出して、金属粒子がクリアー層に浮いて出てきて、ムラ(戻しムラ)になる場合があるからです。

ラッカー系のメタリック色の上にラッカー系クリアーを吹くときは、注意しておいた方がいいと思います。

写真のルーフ部分ですが、少しシマシマ模様になってしまってます。

これは、クリアーを吹き付けたことで下地のシルバー色が溶け出して、ムラになってしまった状態です。

こうなってしまうと、再度メタリック色を塗り直さない限り、キレイに直らないです。

このクリアー塗装時のムラを防ぐには、

  1. クリアー色を特に最初は薄く、乾かしながら数回に分けて塗装する
  2. メタリック色にクリアー塗料を1~2割程混ぜて吹き付ける。

の2点気をつけておくと、ほぼ防げます。

クリアーを塗装しておこる戻しムラは、ケースによっては最悪シンナーで塗料をすべて落として、最初からやり直しという場合もあるので、ホント気をつけておきたいです。

レーシングマシン等、シルバーと他の色をマスキングで塗りわけて、ボディ全面にデカールを貼ってるケースなんかで、最初からやり直しになったら大変すぎますからね。。

・・・シルバー塗装は色々と気を使うので、ちょっと疲れます。